団交速報第4                          2008.7.28(月) 
 

 経済要求に再びゼロ回答!

7月8日(火)に第三回団交が行われました。団交速報第3号で、日本大学、中央大学、上智大学、明治大学など、東京私大教連に加盟している他私大での春闘の成果を紹介しましたが、総務部長はそれらの大学が「いずれもメジャーで財務状況がよいところばかり」であるとして、それを参照して本学園における要求に応えることはできないと述べました。それらの大学の2007年度の人件費比率はそれぞれ日本大学(55.6%)、中央大学(53.7%)、上智大学(51.5%)、明治大学(50.0%)であり、桜美林学園の59%台より確かに良好ですが、理事会が健全経営の目安としている50%は超えており、必ずしも50%を超えたら健全性が損なわれるとは言えないこと、本学園では2005年度に61.9%だったものが改善されつつあることを指摘し、再考を求めました。大学教員は学生増に比較しても増えているとの説明もありましたが、大学教員は授業のほかに、アドバイザーとしてカウンセリングにもわたるような「きめ細かな指導」が求められており、その心理的負担はますます増大しています。それは中高教員も同様です。そのような状況のもとで、わたしたちが理事会に、学生増による教職員の負担増に誠意を持って応えることを求めるのは当然だと考えます。
 
現行任期制度に固執し、再考を拒否!
理事会の方針として、「現行任期制度を堅持・推進する方針」であり、「処遇を含めて変える予定はない」と認識している旨、総務部長から伝えられました。さらに、現在組合で実施している「任期制教員についての緊急アンケート」に寄せられた、いくつかの切実な声、特に身分が不安定であることについての不安や心理的苦痛についての紹介に対して、総務部長は「なぜ苦痛なのかわからない」「どんな仕事であれ、与えられたことを一生懸命やるのが組織人というもの」と発言しました。もちろん、一生懸命仕事をしているし、だからこその心理的負担である旨を伝えようとしたのですが、このギャップは大きいものでした。話し合いを通じて共有できる認識を深めていくことを春闘では粘り強く進めていくつもりです。
 
禁じられていなければやってよい
任期制規程についての驚くべき解釈変更と不見識!
 
1997(平成9)年に成立した「大学の教員等の任期に関する法律」(以下「任期法」)第5条2項は「学校法人は、…教員との労働契約において任期を定めようとするときは、あらかじめ、当該大学に係わる教員の任期に関する規則を定めておかなければならない」と定めており、これを受けて本学では「桜美林大学の任期を定めた教員の任用等に関する規程」(注1)を2003(平成15)年11月10日に制定しました。これについては、組合も交渉を重ね、「再任用不可」という案に対して「再任用可」を求め、「対象となる教育研究組織の名称、職務内容等」の事項において、上記「任期法」の趣旨(注2)に沿った規程とするべきであると主張して、多くの譲歩をせざるを得なかったものの、最終的には合意をし、2004(平成16)年12月7日に、確認書を交わしました。そこで合意されたことは、以下の四項目に該当する場合において、任期を定めた教員を任用してよいとするものです。
 
@カリキュラム改革など教育課程編成上一時的に必要と認める場合
A先端的研究を遂行するために、海外や企業・団体から研究者を招聘する必要があると認める場合
B規程等に基づき特定の研究・課題を遂行する上で必要と認める場合
C助手の職で自ら研究目標を定めて研究を行うことをその主たる内容とするの者に就ける場合
しかし、実際にはこの@の規定が「カリキュラム改革(=学群再編等を含む)が進んでいる間は任期制教員を採用してよい」と最大限に拡大解釈されて、新規採用の多くの教員が任期付きとなる事態になりました。これまで、組合はこの「拡大解釈」を争点に批判をしてきましたが、今回の団交で示されたのは@〜C以外で採用していけないとは書いていないから、それ以外の採用にも問題はないという、驚くべき解釈です。「よい場合」を列挙した取り決めにおいては、「それ以外はいけない」というのが法律や規程等の一般的な解釈です。そうでなければ、この四項目にいたる組合との交渉は何だったのでしょうか。このような居直りとも言える強弁で理事会は「任期付き教員採用推進」を強行するつもりなのでしょうか。
 
 国会の付帯決議は法律ではないから拘束されない?!
任期法の成立時に、国会での議論や懸念されたことをふまえて、付帯決議がされています。その内容は「教員の身分保障の精神が損なわれることのないよう充分配慮」「任期制の適用の対象や範囲、再任審査等において、その運用が恣意的にならないよう、その適正な運用の確保」「業績評価が適切に行われることとなるよう評価システム等について検討」など(注3)ですが総務部長は、これらの付帯決議に対して「法律ではないから、拘束されるものではない」と明言しました。確かに、法律でなければ、それに従わなくても「違法」ではないでしょう。しかし、国会での論議の末に付された決議を考慮しないというのは、教育機関の理事会としてふさわしい態度でしょうか。「違法でなければ何をしてもよい」というのが理事会の方針として理事の方々に共有されているものなのか、ぜひうかがいたいところです。
 
専任教員は任期にかかわらず同一待遇を!
同一の教育・研究活動をする専任教員の間に、その合理的根拠を示さないままに雇用形態の区別と待遇格差を持ち込むことは許されるべきではありません。「任期を定めた教員」の給与等は、2001(平成13)年4月1日施行の「契約教員に関する内規」が準用されていますが、この「内規」で定められた「契約教員」と「任期を定めた教員」は明らかに職務内容が異なっており、職務から言えば、「任期を定めた教員」の職務は、研究・教育・大学運営(教授会・委員会への参加)という点で「任期の定めのない教員」と同一のものです。「契約教員」は教育活動に直接関わるカリキュラム作成等の会議には参加が求められていますが、教授会や委員会への参画はその職務となっていません。したがって、給与等の待遇において、「任期の定めのある教員」が「契約教員」と同様の待遇になっていることは不適切だといえます。また、この給与規程が1989(平成1)年に定められた「ELP教員に関する内規」をそのまま引き継ぐものであり、20年間まったく給与が凍結されているのも大きな問題です。契約教員の給与の引き上げとともに、任期付き教員の給与を任期なし教員と同じ給与表に基づくものとすることを、組合は重ねて要求します。
 
春闘の重点要求:格差是正への一歩を!
今春闘では、せめてものこととして、現在の格差を一部でも是正の方向で調整することを求めでいます。具体的には一時金における「プラス303,000円」(現行からの3,000円アップ)(任期付き教員を含む)という項目の実現です。現在の規程では、任期付き教員の一時金は「基本給×6ヶ月」となっており、現行の「プラス300,000円」が附加されていません。全員に一時金のアップが実現されることを、強く求めます。
 
今こそ組合に結集を!
最後に、今回の団交で注目しておくべきこととして総務部長の「過半数を占めない組織と結んだ三六協定は効力がない」との発言があります。現在、組合は過去の「三六協定」の不誠実履行に抗議して協定を結んでいませんが、これまで理事会は私たちの組合を唯一の交渉団体として認めてきています。一方で、組合が過半数を超す組織率を獲得することは、理事会が「総人件費の抑制」を推し進めている現在においては喫緊の課題です(詳細は次号)。

(注1) 制定当時は「桜美林大学・桜美林大学短期大学部の任期を定めた教員の任用等に関する規程」。現行規程は、准教授、助教などの語句の訂正をして、2007(平成19)年4月1日から施行されているもの。
(注2)先端的・学際的又は総合的な教育研究であることその他の当該教育研究組織で行われる教育研究の分野又は方法の特殊性にかんがみ、多様な人材の確保が特に求められる教育研究組織の職に就けるとき【第四条一項(一)】。(二)は研究助手、(三)は大学が期間を定めて行う特定の教育研究。
(注3)詳しくは2008年6月9日発行の「くみあい通信」4号を参照。 

団交速報第3                          2008.6.27(金) 

  

 多忙化・労働強化の実態を無視し、経済要求に再びゼロ回答!

 6月19日(水)に第二回団交が行われました。第一回の団交で、組合は物価上昇が進む経済状況から「ベースアップなしは生活条件の切り下げになる」ことを訴えるとともに、大学でも中高でも教職員の労働強化・多忙化が進んでいる実態を明らかにしました。大学再編の過渡期において、多くの教員が学群と学部の両方の教育組織にかかわり、それぞれの教授会メンバーとして委員会活動の責任も負っている上に、所属する学系の会議もあります。後援会への地方出張なども、従来の年1回から年2回の分担になる教員が増えています。LA学群では2年生の専攻選択のために16人〜17人の学生との20分以上の面談を授業の合間を縫って2週間のうちに行い、その連絡等もすべて教員がおこなっています。

中高では、授業の質を維持・向上させながら、生徒指導、部活の指導も行い、さらに生徒募集のためにこれまで以上の時間を割かざるを得ない状況です。
そのような状況をふまえて、組合が切実な要求として掲げたベア・年間一時金その他引き上げ(任期を定めた教員を含む)は、第2次回答においてもゼロ回答でした。
新しい組織を立ち上げ、それを軌道に乗せるのは並大抵のことではありません。桜美林学園に期待を込めて入学してきた生徒・学生たちの成長過程に責任を持つ者として、すべての教職員は、日々新たな課題に直面し、試行錯誤をしながら「格闘」とも言える日々を送っています。そのことを理事会は率直に認めるべきです。 
 
理事会は教員の給与水準の抑制へ、さらなる「見直し」を検討中!
「経済要求にこたえるつもりはない」旨、総務部長から明言されましたが、それにとどまらず、理事会内では教員の給与水準に関して将来的には「見直し」の議論すらあることが第二回団交の中で明らかになりました。「見直し」の内容について具体的に提案されているわけではありませんが、総務部長が個人的見解としつつも「大学教員の給料が年功賃金である必要はない」と述べていることは無視できません。
 
教職員の待遇改善要求に理事会は誠実な対応を!
理事会は「本学園の財務状況」と「他の私学との均衡」を主な理由として「ゼロ回答」を示していますが、今春闘で理事会に問われているのは桜美林学園で働く教職員の生活向上に向けて努力を行う姿勢の有無です。本学園の財務状況を見ると、悪化しているのは事実ですが、人件費比率においては改善が見られます。財務状況悪化の根本原因は、収入の伸びよりも支出の伸びの高い「拡大路線」をここ数年間、理事会主導で進めてきたことにあります。そして、この拡大路線のツケが、労働強化・多忙化、経済要求拒否、安上がりの任期付き教員採用という形で教職員に回されているのです。設備投資も大事ですが,理事会は人件費も教育研究投資であるという観点をもち、教職員の待遇改善にどこまで応じることができるか、真剣に検討すべきです。
 
任期制教員の採用「推進」:待遇格差は理事会の裁量権と言明!
桜美林大学ではここ数年で20名前後の教員が「任期付き」で採用されています。任期付き教員は学部・学系に所属する専任教員として位置づけられており、任期があるなしにかかわらず、学部・学群の教育活動(授業・演習・アドバイジング)、個々の研究活動、教授会活動(委員会など)、入試や後援会への出張などの学内外の活動においてまったく同じ仕事をしているのです。それにも関らず、任期付き教員は3年の任期がある不安定雇用である上に、待遇においても格差を強いられています。第二回団交では、「なぜ待遇において差をつけるのか」、説明を求めましたが、総務部長は「差があるといっても、これは理事会の裁量権の範囲である」と繰り返すだけで、説得力のある理由は示されませんでした。 
 
年間収入の比較:なぜこのような差をつけるのか?
任期付き教員の月額基本給は年代別一律賃金で、諸手当は任期なし教員と同じですが、定期昇給がありません。一時金は任期付きが基本給×6ヶ月、任期なしは(基本給+扶養手当+役職給)×5.95ヶ月+30万円です。扶養手当は配偶者に28,000円、扶養親族(子どもなど)一人につき7,800円ですから、扶養手当が一時金の算定に入るか入らないかで年間収入の差がかなり開きます。次の表は、「配偶者なし・扶養親族なし」(上段)と「配偶者+扶養親族一人」(下段)の場合について、任期のあるなしでどのくらい年間収入に差が生じるか計算してみたものです。

任期付き専任教員と任期のない専任教員の年間収入比較
(組合調べ)
 
 
任期のある専任教員
任期のない専任教員
 
年齢
月額
一時金
年間
年齢
基本給
一時金
年間
年間収入差額
30歳代
350,000
2,100,000
6,300,000
30
330,800
2,268,260
6,237,860
-62,140
 
 
 
6,729,600
 
 
2,481,270
6,880,470
150,870
 
 
 
 
35
394,800
2,649,060
7,386,660
1,086,660
 
 
 
 
 
 
2,862,070
8,029,270
1,299,670
 
 
 
 
39
446,400
2,956,080
8,312,880
2,012,880
 
 
 
 
 
 
3,169,090
8,955,490
2,225,890
40歳代
400,000
2,400,000
7,200,000
40
460,000
3,037,000
8,557,000
1,357,000
 
 
 
7,629,600
 
 
3,250,010
9,199,610
1,570,010
 
 
 
 
45
548,500
3,563,575
10,145,575
2,945,575
 
 
 
 
 
 
3,776,585
10,788,185
3,158,585
 
 
 
 
49
596,200
3,847,390
11,001,790
3,801,790
 
 
 
 
 
 
4,060,400
11,644,400
4,014,800
50歳代
450,000
2,700,000
8,100,000
50
605,700
3,903,915
11,172,315
3,072,315
 
 
 
8,529,600
 
 
4,116,925
11,814,925
3,285,325
 
 
 
 
55
652,000
4,179,400
12,003,400
3,903,400
 
 
 
 
 
 
4,392,410
12,646,010
4,116,410
 
 
 
 
59
674,000
4,310,300
12,398,300
4,298,300
 
 
 
 
 
 
4,523,310
13,040,910
4,511,310

*30〜40歳はモデル賃金の二等級(准教授、講師)、45〜59歳は一等級(教授)で比較
 
雇用形態の多様化と待遇差別の拡大は許されない
同一の教育・研究活動をする専任教員の間に、その合理的根拠を示さないままにこのような雇用形態の区別と待遇格差を持ち込むことは許されるべきではありません。これを容認して放置するならば、今後、理事会が言明しているように任期付き教員の採用がますます推進されるでしょう。不安定雇用の教員が増えることは、教員がのびのびと、しかも熱意をもってその力量を形成していくことを妨げ、教育・研究の場としての大学に必要とされる「同僚性」の形成と発展を阻害します。
 
不当な採用過程と待遇格差の是正を
2008年3月までの任期制教員の採用は、公募の場合には任期制であることを明記せず、面接段階で任期制の可能性が示唆され、採用通知段階でその決定を知らされるなど、不当なものです。公募でない場合には、仲介者によってその過程が異なるなどの不透明性がぬぐえません。任期制教員の採用過程が必ずしも統一されていなかったことは、団交の場で総務部長も認めており、今後はそういうことのないように人事課もかかわって進めていくとのことですが、もしも過去において不適切な過程があったと認めるならば、何らかの形でその是正に取り組むべきです。「採用方法が不統一なものであったとしても、対等な関係で契約したのであるから、是正の必要はない」というのは詭弁です。
 
教員採用も市場原理という理事会の不見識
総務部長は「教員採用は今、優秀な方をたくさん採れる買い手市場だから、人件費削減が課題である本学もこれを有効に活用する」という趣旨の発言をされました。しかし、大学における教員採用と労働条件は労働市場の動向という観点からだけで決められるものでしょうか。大学における教員の労働条件は、何より、教育・研究の質の向上の観点から考えるべきです。理事会は企業経営的態度に終始するのでなく、大学人として、教育・研究をどう発展させるのかについて、深い見識と長期的展望をもって議論すべきです。
 
東京私大教連加盟校ではベースアップと一時金アップの回答も
日本大学 6月13日第6回団交で 専任教職員に特別一時金3000円
理事会回答全文:日本大学が世界に通用する大学として、21世紀を生き抜くため、高等教育機関としての資質向上が求められる中で、量的面から質的面への転換を図り、総合大学としての総合性を発揮すべく、教職員の士気高揚をはかるためにおこなうものである(傍点は引用者)。
中央大学 ベア原資0.1%
上智大学 6月20日の第一次回答で、ベア一律1000円(平均0.2%)
明治大学 6月23日の団交で、ベア0.05%・276円(原資841万円)
兼任講師給(外国人含め)現行より100円増額
東邦大学 病院職員の手当で500円増額 

◆ 団交速報第2号                          2008.6.18(水)

期制教員採用は総人件費抑制のため!

6月11日(水)に今年度春闘要求についての第一回団体交渉が行われました。
今春闘では、労働強化、多忙化、物価上昇をふまえての経済要求とともに、格差是正にとりくむことを重点課題と位置づけており、@一律1,000円のベースアップ、A年間一時金の3,000円アップ(現行5.95ヶ月+300,000円を5.95ヶ月+303,000円に)の二つの課題に関しては、任期制教員も含むものとして要求しています。
現行制度 では、任期制教員は20歳代(300,000円)、30歳代(350,000円)、40歳代(400,000円)、50歳代(450,000円)という10歳ごとの給与規定になっており、各代の前半まではやや有利なものの、その後は同年齢の「任期の定めのない」教員より給与は低くなっています。また、一時金は「6ヶ月」とやや(0.05ヶ月分)よいものの、「+300,000円」の部分がないために、「任期の定めのない」場合よりも低い待遇になります。
第一回団交では、理事会回答で「多様な人材を受入れ教育研究の活性化を図るために、任期制教員の採用を推進していきます」とされているのを批判し、桜美林大学における任期制教員採用の趣旨を再度尋ねました。その回答は「いい先生を、なるべく多く、トータルの人件費を上げない形で採用するため」ということでした。任期制導入のねらいの中心がまずは「人件費抑制」にあるというこの回答は重要です。私立大学において任期制がこのような目的で使われることは、1997年の立法当初から懸念されていたことですが、これをこのようにはっきりと明言し、しかもその推進を表明している理事会の態度はとうてい認めるわけにはいきません。

則は同一労働同一賃金:「任期制」の低い処遇は明らかに不当
桜美林大学では「任期の定めのない教員」も「任期を定めた教員」も、教育・研究・大学運営(委員会など)においてまったく同じ責任において仕事をしており差別的待遇にすることは不当です。
第一回団交において、総務部長は桜美林大学においてはELPなど任期制採用の「実績」がある旨の発言をしましたが、ELP教員は教授会メンバーとしての責任を負っておらず、職務と責任範囲は明らかに他の「任期の定めのない」教員とは異なっています。
「同一労働同一賃金」というのは、総務部長から質問があったような「大学教員がみんな同じ給与」という意味ではありません。「同じ職種・職位」については「同じ給与体系による」ことです。さらに言うならば、「任期制ポスト」の場合は、1997年の立法時において、その不安定性に鑑みて、その処遇においては「特別の配慮」が求められていたものであり、国立大学等では任期制ポストは年俸制として「任期なし」の場合より1〜2割高い設定にしている例もあります。桜美林の場合は任期制の場合に「身分が不安定」である上に「低い処遇」になっているのです。

くべき認識不足:  「任期制」は対等な立場で契約・先生たちは「喜んできてくれている」
教員公募で「任期制」を明記せず、理事会面接で任期制の可能性を示唆されたり、すでに専任の職がある候補者が「任期制なら来ない」と言ったら任期制でなく採用されているなど、現在の募集と採用のあり方は、原則およびその運用が「公正」なものではありません。ほとんどの候補者は、「任期なし」か「任期あり」を自由に選んでいるのではなく、「任期あり」か「不採用」のどちらかの選択を迫られています。任期のあるなしを選べるとしたら、任期のあるほうがよいという人はいるでしょうか。特に桜美林の場合は、任期制で有利なことがひとつもありません。「任期制」はポストにつけるものであり、「人」につけるものではありません。この原則から逸脱し「だまし討ち」「人の足元を見る」などとさえ言われる採用を桜美林大学がしていることは、大学の品位にも関わることで、放置することは許されません。
件費は教育投資であるという観点を!
人件費は抑制すればいいというものではありません。次回団交では、さらに多くの論点で議論します。ぜひ、組合員の皆さまの積極的な参加をお願いします。

 
◆ 団交速報第1号                          2008.6.9(月)

私たちの要求はすべて拒否されました!

春闘要求に対する回答がなされました。

労働強化、多忙化、物価上昇にもかかわらず、理事会は、私たちの切なる経済要求に対して一切こたえていません。

任期制教員の採用については、その問題点をうけとめるどころか、今後「推進する」とまで明言しています。

これからの団体交渉で、多くの組合員が結集して、成果を勝ち取っていくことが重要だと考えています。

◆ くみあい通信[書記局ニュース] 2007年度3号    2008.4.25.(金)

新年度が始まりました 30日は臨時大会で春闘要求を決めます
中央執行委員長 中村雅子(大学教員/心理・教育学系)

4月、学園の新年度が始まり、幼稚園、中学校、高校、大学、大学院それぞれのキャンパスにたくさんの新入生を迎えました。大学の学生数が8000人を越えたことはひとつの節目と言えるでしょう。各職場でも、教員、職員ともに多くの新しい人材を迎えています。新しい同僚が職場に慣れて、チームワークの中で十分にその能力を発揮し、活躍していけるように、職場環境を整えることも、組合の大切な仕事です。

組合は3月に4人の退職者をお送りし、お一人は大学の役職就任で退会されたため、組合員が5人減となりましたが、3月に2人、4月に3人新しく加入され、5人増で現勢維持の101人のメンバーとなりました。これを読まれた方は、この数をどのようにご覧になるでしょうか。

◆「そんなに小さい組合だったの?」と思われた方、それにしてはかなり重要な役割をになっていると思いませんか? この101人が納める組合費と応援してくださる方々のカンパで組合の活動が支えられています。

◆「けっこういるんだなぁ」と思われた方、それでもこの学園には職員が約300人(専任、契約、嘱託、派遣、パート、その他)、教員が約360人(専任、任期、その他)いるということをご存知でしたか? そして、そのうち、教員と職員を合わせた専任が約400人で、さらに約500人の非常勤講師によって教育活動がになわれているということを。

この数を考えると、非常勤講師を除いた約660人のうちの101人という、2割に満たない組織率はさびしい感じもします。

どちらの感想をお持ちになったにせよ、まだ組合に入っていない方に訴えたいのは、ぜひ組合に入って一緒に活動しましょう、ということです。そして、組合員の皆さんには、組合の活動に、もっと知恵と力を結集して支えあい、新しい仲間を誘いましょう、ということです。

4月30日(水)には、第33回臨時大会が開かれます。これは「春闘」の要求を決める大切な大会です。執行部では、昨年の要求項目をもとに、この1年の職場環境や経済情勢などを検討して、今年度春闘の要求項目の原案をまとめました。大会ではこれをおおいに議論して、納得のいく要求項目として決定したいと思います。組合員の方はすでにお配りした「議案書」を、ぜひ読んで、ご参加ください。大会はオブザーバー参加も出来ますので、組合でどういう議論をしているか、関心のある方はぜひいらしてください。  

第33回 臨時大会 
2008年4月30日(水)午後6時より 以徳館1階902教室にて
大会終了後、ファカルティークラブにて、“祝大会・新入組合員歓迎”の懇親会を開催しますので、こちらもふるってご参加ください。

組合退職者慰労会 
 
3月に久保田圭作先生(大学)、齋藤尚子先生(大学)、風間直吉さん(大学職員)、阪上裕子先生(大学)[組合加入順]が退職なさり、役職就任のため組合を退かれた植田渥雄先生(1976年度委員長)と大庭篤夫先生(1980年度委員長)もお招きして、組合では恒例の退職者慰労会を3月11日に開催しました。

組合では学園に対するさまざまな要求を団体交渉の積み重ねの中で実現してきましたが、その初回から350回にわたり私たちの交渉相手の席にいらした錦織法人事務局長もお招きしました。私たちは理事会メンバーが出席しない団体交渉を批判し、理事の出席を要求してきましたが、そうした状況の中で両者をつなぐ職務に尽力してくださったことに対して、錦織さんには率直な感謝をお伝えしたかったからです。

錦織さんのご趣味は短歌とのことで、退職者慰労会の席上で組合への短歌をプレゼントしてくださいました。四首のうち二首を紹介します。組合は桜美林学園をそこで学び働くすべての構成員にとっての豊かな成長の場として充実させていくことを課題としてきましたが、そのことを錦織さんがこのように受けとめてくださっていたことがわかり、本当に嬉しいと思いました。

この山を如何に登るか道違(たが)ふ
組合と我ら目的同じぞ

学園の発展共に歩みたり
組合ありて我ら安けし
 

リーダーの臭い屁の話
書記長 奥野克巳(大学教員/人文学系)

わたしが継続的に人類学調査を行っている、マレーシア・サラワク州の狩猟民プナン社会で、今年の3月に、以下のような寓話を蒐集しました。

「スガガン」という小動物(学名不詳)は、かつて動物の王でした。あるとき、スガガンは、人間に大木を切り倒すように命じました。人間が木を切り倒すと、今度は、それを削るように命じたのです。人間は、その大木から何をつくるのかを知らされていませんでした。人びとは、口々に、船をつくるのだろうか、板をつくるのだろうかとささやき合いました。ところが、さにあらず。スガガンは、人間に近づいて、「耳かき」をつくるように命じたのです。人間たちは、そんなに大きな木を切り倒しておいて、小さな耳かきをつくるように命じるとは、なんたるトンチンカンなことかと文句を言うようになりました。その後、スガガンは、とうとう、動物の王位から転落してしまいました。それから、スガガンは、近くを通るだけで、臭くてたまらないような屁をする動物となったのです。

このなにげない動物譚は、スガガンという小動物が臭い屁をするようになったことの由来をめぐる笑い話ですが、同時に、この話には、リーダーシップに関する深遠な哲学が隠されています。

プナン社会では、強烈な匂いを放つ屁に対して、ときに、「スガガンのように屁をする」という言い回しがなされる場合があります。彼らは、お互いが密に接して暮らしており、臭い屁をすることはその場の空気を乱し、人びとを混乱に陥れます。臭い屁はまた、王が大木を切り倒すように命じて、あげくの果てに、小さな耳かきをつくらせて、人びとを困惑させることに、一脈つうじるのです。

リーダーたる者は、スガガンの臭い屁のように、人びとを大きく惑わすような指図や命令をしてはならないのだという教訓が、この短い狩猟民の寓話のなかには語りこまれているように思われます。

組合のHPごらんになりましたか?

http://obirinunion.web.fc2.com/
ぜひ、みなさまの「お気に入り」にも登録してください!
ホームページをつうじて、組合の加入申し込みもできますので、どうぞご利用ください。
 

◆ くみあい通信[書記局ニュース] 2007年度2号    2008.2.15.(金)

新年あけましておめでとうございます
中央執行委員長 中村 雅子(大学教員)

                         
今頃になっての「あけましておめでとうございます」というごあいさつはやはり気が引けますが、それでも「時間はかかっても、ゆっくり着実にやるべきことをやっていこう」という今期執行委員会の意志を示すものと受け取っていただければ幸いです。雪が降ったり冷たい風が吹いたりと、まだまだ冬の厳しさが感じられるこの頃ですが、実はもう立春も過ぎています。春の訪れも間近なことでしょう。

組合としては「春闘」に向けて要求事項の検討に入っています。桜美林学園で働く私たちの知恵と力を集めて、お互いの能力が生かされ、共同の成果を生み出すことのできる、働き甲斐のある職場にしていくために、ご協力をぜひよろしくお願いします。まずは、日頃感じている小さな疑問や不満、こうだったら、こうしたらいいのにという思いなどを、たくさん集めていきましょう。組合員はもちろんのこと、組合員でない方も、ぜひお近くの執行委員に声をかけてください。また、組合にメールという方法もあります。春闘要求をまとめるための集まりも近いうちにもちたいと思っています。

昨年秋から組合のHP開設に向けての準備も進んでいます。そこに相談窓口も設け、組合加入申込みもHPからできるようにします。これが桜美林で働く人たちを結ぶひとつの媒体として活用されることを願っています。

まだ組合に入っていない方々には加入への働きかけも進めていきたいと思いますが、まず、桜美林学園で働くすべての人々が組合に入ることができるということを、ここで確認しておきたいと思います。「桜美林学園教職員組合規約」の「第二章 組合員」は第六条で組合員の資格を次のように定めています。

第六条(組合員の資格) 本組合は桜美林学園と雇用関係にある教職員(雇用関係について係争中の者を含む)および組合が必要と認めた者をもって組織する。ただし、次の各号に該当する者を除く。

  1.学園理事および雇い入れ・解雇・昇進・異動に関して直接の権限をもつ監督的地位にある者。
  2.学園の労働関係について計画と方針とに関する機密の事項に接するためその職務と責任が組合員としての誠意と責任とに直接抵触する監督的地位にある者。

つまり、上記1と2に該当する方以外は誰でも組合に入れるということで、職員の場合は部長以上と、直接に人事に関わる職務としての総務部の課長などを想定しています。教員の場合は学部長や学群長は組合を退くことが共通理解になっています。専任でなくても、契約、嘱託、パートの方は桜美林学園と雇用関係にあるので組合加入対象者です。組合員であることがなにか不利益をこうむることであるかのような雰囲気が桜美林学園にあるとしたら、そのこと自体が大きな問題です。そういうことにも、これからきちんと取り組んでいきたいと思っています。

ということで、今年も、どうぞよろしくお願いします。

組合陽だまりハイク報告
鈴木久仁夫(中学教員)

苦心の企画
昨年も押し詰まった12月27日にワンデイハイクに行きました。組合主催のアウトドアの行事は昨年夏の「奥利根、尾瀬山行」以来二回目です。私はクライミングの方は、夏の山行き以前にも友人を案内した経験がありますが、こうしたハイキングの企画、案内は初めてですのでちょっと緊張しました。静かな郊外散策、なだらかな里山とちょっと険しい、クサリ場も楽しめる里山、更にアウトドアクッキングと地方銘酒の造り酒屋の利き酒、最後に温泉、という具合にワンデイハイキングの考え付く限りの魅力を盛り込んだ企画にしました。

落ち着いた出だし
当日は晴天に恵まれました。前日は風が強かったし、翌日から天気が崩れだしたので、私たちの日ごろの行いの正しさが天に通じたものと思われます。朝8時にJR八王子駅に集合、八高線に乗って10時に行動を開始しました。まずは最初の里山の金勝山で足慣らしをしました。葉の落ち尽くした静かな雑木林で、国木田独歩が名作「武蔵野」の中で美しく描いた落葉林の風情を満喫することができました。

新発見
次なる目的地の官ノ倉山に向かう途中、すばらしいものに出会いました。「重要文化財・吉田家旧宅」の案内を見て訪ねてみますと、中では囲炉裏が暖かく燃え盛り、灰に刺した竹筒には熱燗が温められ、鍋にはおいしそうな料理が煮えています。親切に迎えてくれたスタッフの方に聞いたところ、夕食を楽しむお客さんのグループを迎える準備だそうです。驚く位安い値段で料理を楽しめることが分かりました。わら屋根の古民家の囲炉裏端で熱燗と食事を楽しむのは長年にわたる私の念願です。ここで私は、次の冬と考えていた次回のワンデイハイクを年明けのなるべく早い時期に実施し、ここで昼食を楽しむことを固く決意しました。また、「小川焼き」という素敵な陶器の販売もしていて何人かのメンバーは早速買い求めて、昼食のアウトドア料理で熱燗を楽しむときに使用しました。

おいしい昼食
ここを出て、官ノ倉山の登りに差し掛かった谷沿いに静かなため池を見つけました。堤の上にはちょうど料理に具合の良い東屋もあります。ここで早速、用意してきたキムチ鍋を作りました。スキーヤーの三浦雄一郎さんたちがエベレストに登ったときのキャンプでの人気メニューでもあります。ただしレシピは私流に少し工夫しました。たっぷりのひき肉と大量の刻んだ葱とニラを味噌でいためて五目味噌を家で作っておきます。こうするとたくさんの野菜が小さくなってかさばらなくなり、持ち運びに便利になります。また暑い時期でも野外で日持ちが効きます。鍋に味噌を溶いて一煮立ちさせ、それにサバ缶と鮭缶を入れ、仕上げに韓国製のキムチを丸ごと一瓶投入して出来上がり。実に体が温まり、力が湧いて来ます。鍋一杯の量をきれいにみんなで平らげました。食後には途中仕入れた地酒の生酒を燗にして楽しみました。身体に沁みこむ心地とはまさにこのことでしょうか。官ノ倉登山を心地よい微醺で楽しむことができました。

迫力ある官ノ倉山
官ノ倉山は標高が344mありますから、軽いハイキングでなく立派な登山が味わえます。途中で険しい岩場もあり、変化のある登りも十分楽しめます。無理の無いペースでじっくりと汗を流し頂上での展望を楽しみました。

銘酒「晴雲」
下山後は小川町周辺の郊外散歩を楽しみつつ帰路に着きました。途中、小川の銘酒「晴雲」酒造に立ち寄りました。ここで各自お正月用の日本酒を買い込みました。実に香りが高くておいしいお酒です。味のすばらしさは組合室の近藤さんにお聞きください。

圧倒的な温泉
更に最後の目的地「花和楽(かわら)の湯」に向かいました。瓦工場の跡地を掘っていたら出てきた湯だそうで、首都圏日帰り温泉人気投票でも一位になった温泉だそうです。正直いってこれほど心地の良い温泉だとは予想しませんでした。露天風呂のほかにサウナ、岩盤浴も楽しめ、残された40分の予定時間では全く足りませんでした。2時間がかりで帰途に着く私たちを尻目に、実家が近い参加者はここで更に温泉を楽しむのだといって皆の羨望の視線を浴びていました。何でも4時間近く温泉を楽しみ、からだの調子もかなり良くなったそうです。

次回の企画
今回のハイキングでよかったのは、一生懸命考えた企画を実行してみたことで、次回のより良いプランがはっきりと見えてきたことです。次の予定は次の通りです。まず出発予定を一時間早めて行程に余裕を持たせ、最初に官ノ倉山の急登を一気に片付けてしまいます。次に吉田家旧宅の囲炉裏端でゆっくり昼食をとった後、なだらかな金勝山で腹ごなしをし、午後早く温泉についてたっぷりと温泉を楽しみます。「青雲」酒造には寄りませんが駅前で買うことができます。

登山はちょっとと言う方は「花和良の湯」で一日中温泉を楽しめばいいと思います。料理もおいしいのを出してくれます。
 
組合は<秘密結社>のようなものか?
書記長 奥野克巳(大学教員)

地球上には、さまざまな<秘密結社>が存在することが知られています。<秘密結社>とは、規約や秘密の儀式、誓いなどをもち、その組織の事柄に関する秘密主義でメンバーを縛ることを目的とする組織のことです。中米ハイチのビサンゴは、秘密主義的な活動をつうじて、「ゾンビ」を生み出してきたことで有名になりました。

組合が、とりわけ桜美林学園内において、<秘密結社>のようなものとして考えられているというのは、少し極端すぎるかもしれません。一般には、組合には、有志だけで集まって、打ち合わせをして、学園のやり方に異を唱えている<秘密結社>に近いような、怪しげな組織のイメージがあるようにも思えます。

しかし、それは、まちがっています。組合は、けっして、<秘密結社>のようなものではありません。それどころか、桜美林学園の教職員である限り、組合に加入しないことは、教職員に与えられている権利を放棄するだけでなく、意識するしないにかかわらず、組合やほかの教職員がもっている権利を弱める役割を果たしてしまいかねないのです。

どういうことでしょうか?

憲法や労働諸法によって、「団結権」「団体交渉権」「団体行動権」という労働基本権が保障されています。組合は、法律による交渉権限を有する学内唯一の組織です。組合はまた、要求に基づいて団結する自主的な運動体として、組合員のみならず、学園の教職員や教授会などを励まし、また、全学的な合意形成を進めていくことができる組織なのです。

日々の仕事のなかで、なんだかやり方がヘンだなと感じながらも、忙しさのあまりやりすごしてしまって、知らず知らずのうちに、不平や不満だけが溜まっていくような経験はありませんか。あるいは、今後、この職場はどうなっていくのかと、ふと不安がよぎることはないでしょうか。

そのようなとき、わたしたちは、似たような問題を抱える人たちと連帯して、いま、どういった種類の問題に直面しているのかを分析し、そのつど、状況の改善をしていくための行動を取ることができます。自らの職場環境を改善するために、学園当局と交渉する権利が、法的に、わたしたちには、与えられているのです。それこそが、組合です。

組合は、けっして、有志で集まって、学園のやり方に文句を言っている<秘密結社>ではありません。そこには、秘密の儀式めいた集いや、堅苦しい付き合いなどはいっさいありません。組合は、わたしたち桜美林学園の教職員が、ヒューマニズムあふれる学園を実現するために集うオープンな場です。一人でも多くの教職員が、職場環境の向上を目指して、組合のパワーアップのために、活動に加わられることを願っております。

桜美林学園教職員組合の情報化促進活動

情報通信技術の新時代に合わせて「桜美林学園教職員組合のホームページ」をオープンいたしました!
http://obirinunion.web.fc2.com/
まだまだ不完全ですが、今後、より整備して、さまざまな情報を発信していく予定です。
時間があるときにご訪問いただき、ご覧いただければと思います。
ぜひ、みなさまの「お気に入り」にも登録してください!
早速ですが、中央執行部では現在、08春闘要求に向けた要望の取りまとめをしております。ホームページの「07春闘要求と成果」をご覧の上、要求などがあれば、WEB上のアンケートに答えるかたちで、送信してください。
ホームページをつうじて、組合の加入申し込みもできますので、どうぞご利用ください。

◆ くみあい通信[書記局ニュース] 2007年度1号    2007.11.30(金)

新委員長挨拶
大学社会科学系 中村 雅子

困難は分割して、力は結集する、つまり助け合うこと。組合の役割はそこにあるのではないかと思います。私たちは桜美林学園に働く者として、さまざまな役割と立場において、それぞれの専門性を発揮し、力量を育てながら、本当にいい仕事をしたいと願っています。個人として努力することはもちろんですが、桜美林学園という職場がそれを支えるシステムになっているかどうかということも切実な問題として考え、必要なときには協力して行動する、私にとって組合とはそういう存在です。

委員長になるのは8年ぶりで2回目ですが、組合大会後の懇親会で私は「今度はあまりがんばらないようにしたい」と、新委員長の挨拶としてはとんでもないかもしれないことを言いました。それは、前回はいろいろなことがあって大変だったということもあるのですが、「自分ががんばらなくては」と力が入って疲れてしまった面もあるという反省があるからです。もちろん、前回も本当に多くの人に支えてもらったのですが、今回は、よりいっそう、組合の仲間の力を信頼して、それを代表する存在としての自覚さえ持っていれば、大丈夫かなと思っています。

それでも、やはり大変なときに委員長になってしまったなと思うのは、前執行部の最後の団体交渉で就業規則の改定をめぐる交渉が決裂し、組合が同意しないままでの就業規則改定が行われることになってしまったからです。教員の自宅研修について大学教員は「届出・承認」、中高教員は「届出・許可」が必要ということになりました(6条2項)。なぜそのような規定を設けるかについての納得のいく理由は示されないままでした。また、中高では「専任講師」(クラス担任や部活の顧問も専任と同じくやるけれども1年契約の更新制)、大学では「任期制教員採用」という、不安定雇用の問題があります。

このような「働く条件」の問題は組合員であるなしにかかわらず重大な問題です。「これはちょっとどうなの」と思う方たちには、ぜひ、組合に入って一緒にとりくんでほしいと思っています。お互いを守るシステムを作ることによって自分を守るという点からも、組合の意義はいよいよ大きいものとなっているのではないでしょうか。

とは言え、組合がいつも誤ることなく力強く存在できるという保証はありません。あるとすれば、「信頼と協力」という原点にいつも立ち返ることと、それをふまえての組合員どうしの率直な意見表明と自己点検によるものでしょう。一歩踏み出すことによって、多くの人の組合への見方を知ることが組合にとっても必要な時期かもしれません。

ということで、前回より、もうちょっとがんばろう(あれ?)と思っているのは「組合に入りませんか」と多くの方に声をかけることです。もちろん、組合として、みんなで。そして、対話を通じて多くの人たちとつながり、その声をうけとめていきたいと思います。(すてきなお返事もいただけることを願っています。)

第33回定期大会開催

 さる10月31日(水)に第33回定期大会が開催されました。今春闘では引き続きベアはゼロとなりましたが、嘱託職員給の55歳以上採用者で一率1000円引き上げ、パートタイマー給で限度額の引き上げ(現行事務職950円までを毎年10円で980円まで、現業職880円を毎年10円で910円まで)などの成果をあげました。学園の事業計画の明確な説明要求に対しても、人件費の水準引き下げの回答をするだけで、根本にある人件費比率の評価および財政状況の悪化に対する分析や具体的経営計画の説明も曖昧なままです。また、就業規則改定問題も重要な今後の討議・交渉課題となっています。

 また、桜美林教職員組合規約の改定(主に実態にそぐわない内容の修正)、および慶弔金規定(主に語句の修正)の改定が、執行部提案通り承認されました。下記に示すように、2007年度新執行部が選出され活動を始めることとなりました。困難な状況下で諸問題を解決に導くためには、組合の大きな力が必要です。多くの組合員の意識と力を結集して一層の努力を重ねていく所存ですので、さらなるご支援をお願いいたします。

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